FOR BUSINESSES
韓国人インフルエンサーに来店してもらうには — 福岡は「招く」より「来る人に寄ってもらう」
公開 2026年10月28日 · 文:CUCUOKA運営者(2016年から福岡在住)

韓国人インフルエンサーに来店してもらうには、どうすればいいのか。結論から言うと、福岡では韓国から招く必要はありません。 福岡には毎週、韓国から数万人が来ていて、旅行やグルメを発信する人も自分の旅行として来ています。その中から、お店に合う人に「来るついでに寄ってもらう」のが、福岡の現実的なやり方です。
選ぶ基準も、フォロワー数ではありません。福岡の投稿を最近書いているか、NAVERブログまで書く人かを見ます。この記事では、福岡の韓国語旅行サイトCUCUOKAの運営者(韓国人、2016年から福岡在住、自身でもInstagram・Threads・Xを運営)が、誰に来てもらうか、来店当日にお店が何をするか、そして日本と違う韓国の広告表記ルールを説明します。
この記事の要点
- 福岡は「招く」より**「来る人に寄ってもらう」**。渡航費・ビザ・源泉徴収の問題が構造的に消える
- 選ぶ基準は5つ:直近の福岡投稿・保存数とコメントの質・NAVERブログも書くか・広告表記をしているか・客層が合うか
- 来店当日、お店がすることは4つ。投稿内容の指定と「表記を外して」は、しない
- 韓国の広告表記は**「광고(広告)」「협찬(協賛)」だけが有効**。「#PR」は通らない。食事の無料提供も対価
- 投稿は1日で流れる。検索に残るのは韓国語ページ
福岡は「招く」より「来る人に寄ってもらう」
日本語で読める記事の多くは、韓国からインフルエンサーを招く前提で書かれています。渡航費と滞在費を負担し、日程を店が決め、報酬を払う形です。東京や大阪ならそれが普通ですが、福岡は条件が違います。
福岡は韓国から飛行機で1時間前後、釜山からは船でも来られます。週末の2泊3日が成り立つので、韓国の旅行・グルメ系の発信者は、自分の旅行として福岡に来ています。つまり、招かなくても来ている人がいる。 その人に、来るついでに寄ってもらう。この形だと、費用の構造が変わります。
| 韓国から招く | 来る人に寄ってもらう | |
|---|---|---|
| 日程 | 店が決める | 相手の旅程に合わせる |
| 費用 | 渡航費・滞在費・謝礼 | 食事の提供+少額の謝礼、または情報提供 |
| ビザ・税務 | 報酬を伴う活動の在留資格、海外送金の源泉徴収を確認 | 相手は旅行者。店は食事を出すだけ |
| 投稿の読まれ方 | 「招かれて行った店」 | 「旅行中に行った店」として自然に読まれる |
| 向く店 | 全国から人を呼ぶ大型店・宿 | 福岡の飲食店・小売店のほとんど |
福岡のお店にとって大事なのは、「誰を招くか」ではなく「来ている人の中から、誰に寄ってもらうか」です。
誰に来てもらうか:フォロワー数より見るべき5つ
韓国のInstagramやThreadsを毎日見ていると、フォロワー数と「お店に人を連れてくる力」は別だと分かります。福岡の飲食店が見るべきなのは、次の5つです。
- 直近3か月に、福岡・九州の投稿があるか。 福岡に来る人かどうかは、本人のフィードが答えです。旅行先が毎回違う人より、福岡に繰り返し来ている人のほうが、読者も「福岡情報を見る人」になっています。
- 保存数と、コメントの質。 「いいね」より保存が多い投稿は、読者が「行くときのために取っておいた」投稿です。コメントに「どこですか?」「予約できますか?」が付くなら、その人の読者は実際に行く人です。
- NAVERブログも書く人か。 Instagramだけの人は、韓国人観光客がお店を探す4つの段階のうち「候補に入る」段階までしか届きません。NAVERブログも書く人なら、出発前に検索で見つかるところまで届きます。
- 広告表記をきちんとしているか。 過去の投稿に「광고」「협찬」の表記があるか見ます。表記をしない人は、その投稿が韓国の規制に引っかかったとき、責任が店側に来ます(後述)。
- お店の客層と合うか。 カップル中心の人、ひとり旅の人、子ども連れの人で、読者も違います。店の客席と客層に合う人を選びます。
フォロワーが数万人いても、福岡の投稿が1年前の1本だけなら、上の1に当てはまりません。逆にフォロワー数千人でも、福岡に年3回来て、NAVERブログに毎回書いている人は、福岡の店にとって強い相手です。
来店当日、お店がすること・しないこと
すること
- 韓国語の一言メニュー、または写真付きの価格表を用意する(翻訳アプリで十分。固有名詞は料理の写真が補う)
- 写真が撮りやすい席を空けておく。窓際や、壁がきれいな席
- おすすめを3品に絞って伝える。全部出すと、投稿も散る
- 営業時間・定休日・予約の可否を、その場で確認してもらう。投稿にそのまま載る情報です
しないこと
- 投稿の内容や文章を指定する。指定された投稿は、読者に分かります
- 「広告表記を外してほしい」と頼む。次の章の通り、店が一番危ない
- 他店との比較や悪口を頼む
- 店内の他のお客様が写り込む写真を、本人に無断で使う
当日の接客は日本語で問題ありません。韓国人旅行者は、来店前に韓国語で読み、来店時は写真と指さしで注文することに慣れています。
韓国の広告表記ルール、日本と違うところ
日本では2023年10月からステマ規制が始まり、「#PR」の表記が一般的になりました。韓国は別のルールで動いていて、日本の「#PR」は韓国では通りません。 韓国公正取引委員会の「推薦・保証等に関する表示・広告審査指針」(2026年6月1日改正)に沿って、ポイントだけ挙げます。
- 有効な表記は**「광고(広告)」「협찬(協賛)」「유료 광고(有料広告)」**など、韓国語での明示だけ。「#PR」「AD」「Sponsored」は不可
- 表記は投稿の冒頭か本文の目立つ位置。「もっと見る」の先やコメント欄は不可
- 食事の無料提供も対価です。お金を払っていなくても表記が要る
- 動画は冒頭と末尾、ライブ配信は5分ごとに繰り返す
- 違反の責任は、投稿者だけでなく**依頼した店(広告主)**にも及ぶ
だから、来店してもらう側のお店が「表記を外してほしい」と頼むのが、一番危ない行為になります。表記をきちんと入れる人を選ぶこと、そして表記が入っていても読者は気にしないこと。韓国の読者は「협찬」の付いた投稿を見慣れていて、内容が具体的なら読みます。
この記事は法律の助言ではありません。報酬の金額や契約の内容は、必要に応じて専門家に確認してください。
投稿は1日で流れる。残すのは韓国語ページ

当サイトのInstagram(@cucuoka_fukuoka、フォロワー2.9万)の投稿例。投稿には店名・場所・ひとことだけを載せ、詳細は下のページに置きます。

同じ店の韓国語店舗紹介ページ。投稿から来た人がここで営業時間・行き方を確認し、「地図」でGoogleマップを開きます。「インスタ」ボタンで投稿にも戻れます。
Instagramの投稿は、フィードを1日流れて終わります。保存した人が旅行の直前に見返すことはありますが、検索で見つかり続けるものではありません。だから当サイトでは、来店してもらった投稿を韓国語の店舗紹介ページとつなぎます。 投稿を見た人がページで営業時間・行き方・予約方法を確認し、ページからGoogleマップを開く。営業時間が変わったら、ページだけ直せば済みます。
当サイトへの流入元を見ると、90日でThreadsから7,067セッション、Xから3,848セッション、Instagramから1,237セッションが来ています。SNSは入口で、受け皿は韓国語ページ。4つの段階で書いた「旅行前 → 出発直前 → 現地」の流れを、インフルエンサーの投稿にも当てはめた形です。
CUCUOKAがしているのは、福岡に来る人の中からお店に合う人を選んで、来店の調整をし、投稿のあとに残る韓国語ページを作って更新し続けることです。詳しくはサービスの案内(日本語)にまとめています。
この数字はどう測ったか
- サイトの流入元:Googleアナリティクス、2026年7月30日〜10月27日の90日間。
- 韓国の広告表記:韓国公正取引委員会「推薦・保証等に関する表示・広告審査指針」の2026年6月1日改正版の内容を、お店向けに要約したものです。原文の確認と個別の判断は専門家にご相談ください。
- 限界:インフルエンサーの来店による売上や来客数の実績値は、この記事には載せていません。お店ごとに条件が違い、当サイトが一般化できる数字を持っていないためです。
よくある質問
- 費用はいくらかかりますか?
- 相手と内容で変わります。福岡にもともと来る予定の人に寄ってもらう形なら、食事の提供と少額の謝礼、あるいは情報提供だけで成り立つこともあります。韓国から日程を組んで招く形は、渡航費・滞在費・謝礼が別で、この記事では扱っていません。
- 来てもらった投稿を、お店のSNSやメニューに使えますか?
- 事前に合意があれば使えます。投稿は書いた人のものなので、写真や文章を店のInstagram・店頭・印刷物に使うなら、来店前に「どこまで使ってよいか」を決めておきます。韓国の人は肖像権に敏感なので、本人が写った写真は特に確認が要ります。
- 日本に住んでいる韓国人インフルエンサーに頼むのは?
- 読者が日本在住の韓国人に偏りやすく、旅行前に韓国でお店を探している人には届きにくい面があります。撮影の細かい調整や、何度も発信してもらう用途には向きます。狙う相手が「これから福岡に来る人」なら、韓国に住んでいて福岡に来る人を優先します。
あわせて読む
韓国人観光客は福岡のお店をどう探している?4段階と実測データ
韓国人観光客は旅行前に韓国語の旅行サイト・NAVER・Instagram、現地ではGoogleマップで福岡のお店を探します。韓国語旅行サイトの90日間の実測(利用者の23%が日本国内からアクセス)と、九州入国者の46.5%が韓国人という公的統計で、4つの段階を解説します。
NAVERブログに載るとは?韓国人が「맛집」で探す画面と実測データ
韓国人観光客は旅行前にNAVERで「후쿠오카 맛집」と検索し、ブログ記事を読んで店を決めます。福岡の韓国語サイト運営者が、NAVERの検索画面、韓国語サイトが表示されてもクリックされない実測データ、日本のお店が自分でできること・できないこと、載る方法3つを解説します。